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冬の朝

JUGEMテーマ:小説/詩


明け方
寒くて目が覚めた

道理で寒いはずだ
となりで寝てる人が
私の分まで毛布もベッドカバーも巻き込んですやすや寝てる…

すっかり冷えきった足先を意地悪してペタッと押し付けてみた

ビクッと震える肩
なのに起きない

良い根性してるじゃない…


戻ってこない眠気を残念に思いながら
少し気合を入れてベッドから起き上がる

椅子に掛けておいたミルクティー色のカーディガンを肩に羽織って
降りた露で摩り硝子みたいになってる窓を開けたら

透明で薄紫の夜が溶けかけてた

淡い日の光とともに
流れ込んできた冬の匂いに不意に心が躍る


ねぇ起きて
買い物に行こうよ!

カチッとしたダークグリーンのコートに
鮮やかなピンクが目を惹くバックスキンの手袋
チャコールグレーのムートンブーツ

モノトーンボーダーのスヌードに
大ぶりのコットンパールのピアス
それにネイビーのアランニットキャップ

オシャレして
あなたと今年の冬を目いっぱい楽しむの


あ、そうだ
ハリスツィードのイヤーマフ
お揃いで買おうね


あなたの体温を1年で1番感じられる季節が来たのに
これがワクワクせずにいられる?



 
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小さな灯が消えた日

JUGEMテーマ:想い詩


最期は骨が浮き出るほど痩せた小さな身体だった

空気を抱いているぐらい
重みを感じなかった

長生きだったね幸せだったねと
君の眠るような穏やかな顔を見た人みんなが涙をこぼしながら口にしたけど


本当のところはどうだった?
楽しいことばかりじゃなかったよね、多分…

産まれてすぐにペットショップの小さい部屋に入れられて
本当のママのおっぱいの味も知らずにあどけなく眠ってた君

パパもママも私も一目見て君のことが好きになった

大事に大事に毛布にくるんで家に連れて帰ったあの日を
今でも鮮明に覚えてるよ


君は我が家のアイドルで
ずっとパパとママの愛情を独り占めしてきてたのに

泣くだけで何もできない小さなやつが突然やってきて以来
君はいつも1番だったのに2番になっちゃって

パパの膝の上はいつだって君の特等席だったのに
後から来た小さいやつに乗っ取られて
ずいぶん拗ねてたよね

そいつが動き出すと尻尾や耳を力任せにつかんだりむしったりするのに
痛くて怒ったら

逆にパパとママにきつくたしなめられて
しょげてたよね

本当にごめんね

でもね、時にはしょうがないなって顔で小さな寝息に寄り添って
寝てくれてたの知ってるよ

君の不器用な愛情

小さかったあいつも今ではすっかり大きくなっちゃったけど
ちゃんと伝わってると思う


年を取って目も耳も遠くなって
足が弱って動けなくなってからは

時間の感覚も分からなくなって時々怯えたように泣いてたけど

その度にママに抱っこされて
優しく撫でてもらって
安堵の顏でまた夢の中に戻っていった

もしかしたら最後の1年が
君にとって一番幸せで満たされてた時間だったのかな


眠るように逝ってしまった君は
悲壮感なんて一切なくて

とても綺麗だった

だけど
体に触ると冷たくて
君が目を開けることは二度とないと痛感した

小さな小さな
陶器の器に入れられて戻ってきた君

とても軽くなってたのに
さらにこんなに小さくなってと

器を抱きしめてママが泣いたよ
パパは涙をこぼさないように目をそらしてた

今まで本当に
本当に
ありがとう

いつか
また会おうね

2015.09.12
華に捧ぐ

逆鱗

JUGEMテーマ:小説/詩



我を忘れるほどの強い怒りって
自分をコントロールできなくなって本当に身体が震えるのね


タールよりも黒くて粘度のある感情が心の芯を震わせるから

音叉のように共鳴して増幅して
後から後から波のようにせり上がってくる

外面とか建前とか
コミニュケーションスキルを上げる絶好の訓練だとか

これまでの経験上で得た
さほど役に立たなさそうな手持ちのカードを繰り出して

円滑な人間関係という予定調和を守るために
懸命に押し留めていた理性のダムが決壊した瞬間


溢れだした感情が醜い言葉となって
相手の心臓めがけて放たれる毒矢に変わる

そんな言葉を口から泡が飛ぶほど吐き出す度に

感情がハレーションを起こし
冷静な意識が私という器から乖離して

怒りに満ち満ちている自分自身を眺めていぶかしむ


「私は何をそんなに怒ってるの?」


そんな単純な問いかけがふと頭をかすめた時
明快な答えが待っていた


あぁそっか

本当は怒ってるんじゃなくて
本気で傷ついて痛くて悲しかったんだ

だから
相手にも同じぐらいの傷をつけて
痛みの度合いを知って欲しかったんだ


結局は
相手に理解して欲しかっただけなんだって







 
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フレーミング

JUGEMテーマ:想い詩


マットな赤のセル眼鏡
意地悪な君によく似合ってる

すごく意地悪なくせに
時々蛇口が壊れたようにくしゃくしゃに泣く君の

無防備な涙を真っ赤な額縁が綺麗に飾り立てるものだから


それを不意に見せられる度に僕は
君から目が離せなくなる

君が
意地悪なのは
本当は臆病だから?

なんてフレーミングしてしまう

恋って
相手に都合良くできている







 
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可愛い印

JUGEMテーマ:想い詩


君の左頬に浮ぶ片えくぼ

こらえきれず唇が引き上げられる前にフライング
君が笑いだす印


些細なことで喧嘩して
取りつく島もないぐらい怒らせちゃって


焦った僕のしどろもどろな言い訳が
あまりに下手だったせいか

わざとらしいため息を漏らしながら
目をそらした君の左頬に小さな印がぺこっと表れる


僕はちょっとだけホッとする

どれだけ君が怒ってても
その印が出たら喧嘩は終わりのサイン

ねぇ
コーヒー淹れようか

とっときのコーヒー豆があるんだ







 
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JUGEMテーマ:小説/詩



胸の真ん中に轟音を立てて嵐が来た
彼女のいる君がしたキス

どうしようもない事実を
もしかしたらひっくり返せるかもと

馬鹿みたいな期待が
わずかに残る理性を弾いてしまえと吹き荒れた

外側は嘘のように凪いでいて
慣れた手順で瞼を閉じた

彼女のいる君がしたキスは
符号としては申し分ないほど残酷で

この上ないほど幸せなものだった



 
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あの夏

JUGEMテーマ:小説/詩



息を止めたような
赤く滴る夕日を背に

君が小さく手を振った

うだる暑さの切れ間に
君の周りだけ
冷たい空気がポツポツと青白く降り積もる

薄闇に紛れはじめた君は
最後の表情が笑ってたのか泣いてたのか

僕には判別できなかった



遠いあの夏が新しい夏に重なる度に
僕は少し泣きたくなる

後悔という小骨を喉に詰まらせて



 
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梅雨入り

 
JUGEMテーマ:ポエム

鉛色の分厚い雲が低く流し込まれたような空
梅雨入りしたってニュースキャスターが言ってた

衣替えした夏の制服
ちょっと早まったかな…

半袖の二の腕を
じんわり湿った空気に撫でられて
もうすぐ夏だっていうのに
肌寒ささえ感じてため息が出る

傘なんてさしても意味ないじゃないって
心の中で毒づきながら自転車に乗った


通学路の横を流れる川が水かさを増していて
いるはずのない綺麗な錦鯉が悠々と我が物顔で泳いでた

雨粒に塗りつぶされて
道路と川面の境界線が曖昧にされていく

自分のいるこの世界がどんどん色を失っていくようで
少し心細くなって

そんなバカげた妄想から逃げ出すように
重いペダルを思い切り踏みこんだ

ブレーキの軋み音に
不快指数がぐんぐん上がる


こんな憂鬱な朝でも
あの角を曲がると
急に景色が明るくなる

スカイブルーの自転車に乗った君の後ろ姿を見つけた途端

風景や通り過ぎる人はモノクロームなのに
君だけはっきりと色鮮やかで

君を見る度に胸を突くこの気持ちが何なのか分からずに戸惑った



あれが恋だと気付いたのは
ずいぶん経ってからのことだった



 
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深層心理


マグカップの底に溶け残ったお砂糖が
白いヘドロみたいに見えて

つい目をそむけたの

だって


私なんかが入りこむ隙はないって
頭では分かってるのに

狂気じみた純粋さで固執してる
私の心を的確に表してる気がして


分かってるの
分かってるの

だけど
もう少しだけ好きでいさせて

迷惑はかけないようにするから…

 
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アマツバメ

JUGEMテーマ:ポエム

ブーメランみたいな翼を広げて
空を切るように飛んでいくアマツバメ

他を寄せ付けないほどの速さで
長く長くどこまでも


あの人もきっと早く飛べるんだろう
前しか向いてなかったもの
遠くを信じてる顔だったもの


私を見ることは一度もなかった
一瞬前を通り過ぎただけの恋







 
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