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愚者の恋

JUGEMテーマ:小説/詩


だからあれほど言ったじゃない
あんな男はやめときなって

1度目は
一番そばにいてほしいと願う人の愛情を疑って

恋の駆け引きを楽しませてくれる
上っ面の優しさと心地い言葉を垂れ流すだけの
中身のないあいつに流されて
楽な方に逃げて

大切な人を裏切った事実に長い間苦しんだこと忘れたの


2度目は
恐ろしいほど絶妙なタイミングだった

そばにいてくれる人と長く連れ添って
お互いが空気みたいになってまた愛情の所在を見失いかけたとき

再び現れたあいつの強引な言葉に溺れて
忘れかけた恋を取り戻すようにのめっていくアンタは

一人の女の顔になっていた

こんな時に周りがどうこう言おうが耳に入らないのは分かってる
分かってるけど

必ず傷つくアンタを思うと
言わずにいられなかった

案の定
上っ面の言葉に溺れて飛び込んで
心無い男に恋心も自分自身も踏みにじられて

また大切な人を裏切ってしまった事実だけがアンタを苦しめてる


ねえ分かってるの?

あいつはね
アンタと終わった後
何食わぬ顔で家に戻って
夫の顔で
父の顔で
穏やかな毎日を送ってたんだよ

アンタは
あいつと終った後
大切な人と言葉を交わすたびに
愛しい人の寝顔を見るたびに

何かが自分の内側から少しずつ削り取られていく激しい痛みと後悔と

それでも
心と体を持っていかれるような甘い囁きを
どうしようもなく求めてしまう悲しいほどの女の性(さが)に

苦しくて身をよじっていたのにね

愚者の恋だと
始まる前から決まってたのに


電話口で声が震えるのを懸命に抑えてアンタが言った
「もうあんなやつ好きでも何でもない」



私はそれが悲鳴に聞こえた

 



 
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