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小さな灯が消えた日
JUGEMテーマ:想い詩


最期は骨が浮き出るほど痩せた小さな身体だった

空気を抱いているぐらい
重みを感じなかった

長生きだったね幸せだったねと
君の眠るような穏やかな顔を見た人みんなが涙をこぼしながら口にしたけど


本当のところはどうだった?
楽しいことばかりじゃなかったよね、多分…

産まれてすぐにペットショップの小さい部屋に入れられて
本当のママのおっぱいの味も知らずにあどけなく眠ってた君

パパもママも私も一目見て君のことが好きになった

大事に大事に毛布にくるんで家に連れて帰ったあの日を
今でも鮮明に覚えてるよ


君は我が家のアイドルで
ずっとパパとママの愛情を独り占めしてきてたのに

泣くだけで何もできない小さなやつが突然やってきて以来
君はいつも1番だったのに2番になっちゃって

パパの膝の上はいつだって君の特等席だったのに
後から来た小さいやつに乗っ取られて
ずいぶん拗ねてたよね

そいつが動き出すと尻尾や耳を力任せにつかんだりむしったりするのに
痛くて怒ったら

逆にパパとママにきつくたしなめられて
しょげてたよね

本当にごめんね

でもね、時にはしょうがないなって顔で小さな寝息に寄り添って
寝てくれてたの知ってるよ

君の不器用な愛情

小さかったあいつも今ではすっかり大きくなっちゃったけど
ちゃんと伝わってると思う


年を取って目も耳も遠くなって
足が弱って動けなくなってからは

時間の感覚も分からなくなって時々怯えたように泣いてたけど

その度にママに抱っこされて
優しく撫でてもらって
安堵の顏でまた夢の中に戻っていった

もしかしたら最後の1年が
君にとって一番幸せで満たされてた時間だったのかな


眠るように逝ってしまった君は
悲壮感なんて一切なくて

とても綺麗だった

だけど
体に触ると冷たくて
君が目を開けることは二度とないと痛感した

小さな小さな
陶器の器に入れられて戻ってきた君

とても軽くなってたのに
さらにこんなに小さくなってと

器を抱きしめてママが泣いたよ
パパは涙をこぼさないように目をそらしてた

今まで本当に
本当に
ありがとう

いつか
また会おうね

2015.09.12
華に捧ぐ
/ 17:24 / 悲しい詩(うた) / comments(0) / - /
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